賃貸でも成功したその交渉方法とは…?
プロパンガスが高すぎる…
毎月かかってしまうガス代、できれば安くしたいですよね。
もちろん、ガスの使用量を減らすのも効果的なのですが、実はもっと効率がいい方法があります。
それは『値下げ交渉』です。
実はプロパンガスって値下げ交渉ができます。
もちろん、賃貸でも大丈夫です。
本記事では、私が実際にやってみた『賃貸のプロパンガスの値下げ交渉のやり方』をご紹介しています。
私はこの方法で年間10,000円ほどガス代を安くすることができました。
あなたもこの方法で交渉すれば、きっとガス代を安くすることができますよ。
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賃貸でプロパンガスを一番安くする方法は『値下げ交渉』
意外と知られていないのですが、プロパンガスは公共料金ではありません。
中央大学の鳥居教授が言うように、ガスの販売会社が価格を自由に決めることができる『自由料金』なのです。
LPガス料金は規制料金ではなく自由料金である。それにもかかわらず、家庭用燃料として利用する顧客が、都市ガス供給とのサービスの類似性からLPガス料金を規制された「公共料金」として錯覚することが多いと考えられる。
また、この論文にはプロパンガス業者がこの錯覚を利用して、多くの料金を受け取るために『二部料金制』を取っているとも述べています。
二部料金制とは『固定料金』+『変動料金』の料金体系のことです。
携帯電話で言えば、固定料金は基本料金、変動料金はデータ使用量のイメージになります。
この二部料金制は、『サービスを提供するために数億円以上の投資が必要な会社』の倒産を防ぐために使われます。
プロパンガスは都市ガスとは異なり、ガスの運搬費がかかりますが、ガス工事などの大規模な設備投資はいりません。
にも関わらず、二部料金制で都市ガスより高い代金を受け取っているということは、ガス会社は儲かる価格設定をしているといえるでしょう。
値下げ交渉を有利に進めるための準備
それでは、値下げ交渉を有利に進めるための準備をしていきます。
準備するのは次の2つです。
- 価格推移表
- 交渉に使える情報
この2つを準備するだけで『ガス会社にとってめんどくさい客』になる事ができるので、交渉を有利に進めることができるようになります。
準備①プロパンガスの価格推移表を入手する
今回ご紹介する方法では『プロパンガスの料金が平均より高いので安くなりませんか?』というスタンスで交渉していきます。
そのため、ガス会社に『プロパンガスの平均的な料金』を示す必要があるのです。
その役割を果たすのがプロパンガスの価格推移表になります。
これから入手する価格推移表は『日本経済新聞社の週間商品市況』と『総務省統計局の小売物価統計』という情報から作られています。
ザックリ言うと、ガスの実際の市場価格と国が公表している物価の統計データを使って算出したデータなのです。
価格推移表が強力な理由
この価格推移表はかなり強力な武器になります。
次の2つの理由によって、信頼度が高いデータと言えるからです。
- 改ざんできないデータだから
- 市場平均価格を使っているから
1つ目の理由は、価格推移表は改ざんできないという点です。
価格推移表は国や上場企業が公表しているデータから作られています。
公表するデータには国や上場企業のチェックが入っているので、第三者が意図的に改ざんすることができなくなっているのです。
万が一、価格推移表を改ざんしても計算結果が合わなくなるので、すぐにバレるようになっています。
2つ目の理由は市場平均価格を利用していることです。
市場平均価格とはプロパンガスが実際に市場で取引されている価格の平均値になります。
もう一度言います。
実際に市場で取引されている価格の平均値です。
つまり、たくさんの売り手と買い手が集まる市場で売買されているガスの価格を表していることになります。
価格推移表の入手方法
では、価格推移表を入手していきましょう!
価格推移表は日本LPガス協会様のHPから手に入れることができます。
アクセスしたら価格画面が表示されていると思いますので、次の画像のように『最新版のLPガス価格の推移』をクリックしてダウンロードしてください。(画像は日本LPガス協会様から引用しています。)
クリックするとExcelファイルがダウンロードされますので、ファイルを開きましょう。
次のような価格推移表が表示されるはずです。
ここで注目していただきたいのは、U列の『小売価格の円/10m3』です。
これは、10m3のガスを使ったときの平均的な料金になります。
あなたのガス料金をこの数値と比較してください。
この計算結果が価格推移表の『小売価格の円/10m3』より高ければ、ガス料金が高いという証拠になります。
その場合は値下げ交渉の成功率が大きく上がりますので、このファイルを印刷しておきましょう。
「他のガス会社から見積が必要」と主張している方もおりますが、はっきり言って見積は役に立ちません。
見積を出した会社の価格が平均的であることを証明できないからです。
『それは一軒家向けの価格設定になっていますね。』と言われて終了です。
それなら、信頼できる機関が出している標準価格である価格推移表だけで十分と言えるでしょう。
準備②交渉に役立つ情報を知る
2つ目の準備は、交渉を有利に進めるためにの情報を知っておくことです。
交渉に役に立つ情報とは、ガス機器や違約金に関する情報になります。
というのも、プロパンガス会社は賃貸経営者にガス機器を無償で提供していることが多く、それを理由に金額の正当性を主張してくるときがあるからです。
その言い訳を封じるべく、ガス機器や違約金に関する情報を用意しておきましょう。
役に立つ情報は次の3つになります。
- ガス機器の耐用年数
- 違約金を肩代わり先があること
- 団体交渉の権利
①ガス機器の耐用年数
1つ目はガス機器の耐用年数に関してです。
耐用年数とは設備の価値が1円になるまでの期間を表したもので、わかりやすく言えば『時間が経つほど価値が下がるシステム』です。
その期間を過ぎると、賃貸のガス設備は1円の価値しかない状態になります。
このガス機器の耐用年数は6年と設定されています。
つまり、築年数が7年以上になると、賃貸のガス機器にはほとんど価値がないと認定されるのです。
築7年以上の賃貸であれば、『ガス機器の代金を払ってもらう』と言われたときに、「耐用年数を過ぎているので、代金は1円になりますよ」と反論することができます。
②違約金を肩代わり先があること
築7年以下の物件だと違約金が発生する可能性も否定できません。
ですが、新築でなければ値下げしてもらえる可能性があります。
というのも、『違約金を肩代わりしてくれるガス会社』があるからです。
なので、相手が「違約金が〜」とゴネてきたら、「違約金を肩代わりしてくれる業者を知っているので、違約金の見積をお願いします」と伝えましょう。
③団体交渉の権利があること
ここまで頑張っても、値下げを渋られることもあるでしょう。
その場合は、大家さんの名前を出した上で、住民過半数の署名を集めて団体交渉する準備を進めると伝えましょう。
団体交渉になると、本当にガス会社を変えられてしまうリスクがある上に、ガス会社を変えなかったとしてもガス料金を下げる必要がでてきます。
価格推移表よりガス料金が高いことが住民全体に知れ渡ってしまうからです。
どちらに転んでもガス会社の売上が減ることになるので、間違いなくめんどくさい相手と認識されることができます。
【実録】プロパンガス料金を安くする『値下げ交渉』のやり方
それでは、私が実際に行った交渉のやり方をご紹介していきます。
まずはガス会社の担当者に電話しましょう。
受付の方が出た場合は、検針票に書いてある担当者に取り次ぐように、伝えてください。
担当者が電話に出たら次のように話しましょう。(料金は適当です。)
この度はガス料金に関して相談があり、お電話いたしました。
現在のガス代が統計で算出されている金額より格段に高いのですが、その理由を教えていただきたいです。
統計では10立方メートルあたりのガス料金が6800円になっています。
しかし、御社の場合は8000円と高額です。
このような価格になっている納得できる理由を教えていただけないでしょうか?
回答の内容によっては、ガス料金が統計より大幅に高いことを住民に通知し、住民の署名を集めて大家の〇〇様経由で団体交渉も検討しています。
ご回答いただけますと幸甚です。
このように伝えれば、基本的に相手は上司に相談しに行きます。
担当者が管理職でない限り、価格を決める決定権がないからです。
私の場合、しばらくすると上司の方が出てきて「価格推移表はどこから入手されたものですか?」と聞かれました。
私が価格推移表のソース(日本LPガス協会様のHP)を伝えると、後日折返ししますと言われたので、一旦電話を切ったのです。
後日ガス会社から電話がありました。
「新しいガス代の料金表をお送りいたしますので、ご検討をお願いできますか?」と言われたのです。
10m3あたりのガス代が8002円から6501円になっていたので、私はOKと返事をしました。
なんと毎月1500円もガス代を節約することができたのです。
なお、私の友人のガス会社にも同様の値下げ交渉を行いました。
その際は、「もし値下げができなかった場合はどうされますか?」と聞かれたのですが、次のように回答したら無事に値下げできました。
「団体交渉でガス会社の切り替えをするつもりです。
その際は、御社に違約金とガス設備の減価償却後の価格を見積もっていただき、プロパンガス協会を通してガス会社を選定いたします。
多少なら違約金を払ってくれるガス会社もあるので、そことの契約に持っていくつもりです。」
まとめ
以上のように、プロパンガスは値下げ交渉をすることができます。
ほんの少しの準備をして、本記事に書いてある交渉をするだけで、毎月1000円近くガス代が安くなる可能性があるんです。
たとえ交渉できなかったとしても、損害はないので、宝くじを買うような軽い気持ちで挑戦してみてください。
- プロパンガスは公共料金ではない
- プロパンガスは値下げ交渉できる
- 交渉にはLPガスの価格推移表が必要
- ガス機器や違約金に関する情報を知っておくと、より交渉を勧めやすい
- 筆者は毎月1500円近くガス代が安くなった