似たような症状で悩んでいるあなたのために、診断されるまでの経緯を記録しておきます。
頸部脊柱管狭窄症による頚椎症性神経根症って診断されたんだけど、どうなっちゃうの…?
私は33歳で頸部脊柱管狭窄症による頚椎症性神経根症と診断されました。
簡単に言うと椎間板が変形して脊柱の神経を圧迫し、体の片側に激痛が走る症状です。
重症な場合は手術をすることもあるのですが、私は手術はしないで保存療法を行っています。
今は病状が明確になったので不安から開放されましたが、原因がわからなかったときや診断された直後はかなり不安でした。
もし、あなたも似たような状況であればきっと不安を感じていると思いますので、その不安が少しでも軽くなるように闘病記のような記録を残しておきます。
参考になれば幸いです。
私と同様の症状がある場合は、必ず病院に行きましょう。
頸部脊柱管狭窄症が進行すると頚椎症性神経根症が発症するので、本記事の症状は頚椎症性神経根症のものになります。
頚椎症性神経根症の発症
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私の場合、頚椎症性神経根症が発症したのは家でくつろいでいるときでした。
ちょうど娘を膝の上に乗せながら椅子に座っていたときです。
後ろにあるスマホを取ろうと振り返ったとき…
グリリ!
という音が左肩甲骨周辺から聞こえたのです。
私の場合、以前から左肩甲骨周辺がつってしまうことがたまにありました。
今回も似たような痛みだったので、いつもと同じ『肩がつっただけだろう』と判断したのです。
なので、患部を伸ばすストレッチをして、その日は寝ることにしました。
初期症状(2〜3日目)
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翌朝、目覚めると肩の痛みはまだ残っていました。
今までの経験上、翌日にはほとんど回復していたので「おかしいな」とは思っていたのですが…
痛みもそこまでひどくなかったので、痛み止めのテープを肩に貼って様子を見ることにしたのです。
その日は出勤日だったので、何とか普段通りに仕事をすることができました。
稀にズキズキ痛む事はありましたが、デスクワークがメインだったので、何とかこなすことができたのです。
3日目も似たような症状でした。
よくはなってはいませんが、悪くもなっていない感じです。
なので、そのうち治るだろうと思っていたのですが…
4日目でその予想は裏切られることになります。
激痛に変わった4日目
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4日目の朝、私は左肩の激痛で目覚めることになります。
起きたのは午前4時頃。
力を入れていないと耐えられないほどの激痛が左肩に走ったのです。
しばらく痛みに悶絶していましたが、背中を少し丸めると痛みが少し楽になることがわかりました。
なので、その姿勢をキープして何とか耐え続けたのです。
力尽きたのか寝てしまったのかはわかりませんが、気づけば朝の8時になっていました。
幸運にもその日は在宅勤務でデスクワークだったのですが…
腕の重さが肩にかかるだけで激痛が走るんです。
常に左腕を支えていなければ痛みに耐えられない状態だったので、仕事はほとんど進みませんでした。
もちろん、あまりの痛みに食事も喉を通りません。
試しにロキソニンを飲んでみても全く効果がなかったので、どうすることもできなかったのです。
その日は痛みに耐えることでヘトヘトに疲れてしまったので、早めに寝てしまいました。
翌日も症状はまったく良くなりません。
その日は幸い土曜日だったので、痛みに耐えながら安静に過ごすことができました。
ですが、ずっと寝ているわけにはいかないので、ネットで原因を調べることにしたのです。
最初にヒットしたのは『ぎっくり背中』という症状です。
これは、ぎっくり腰の背中バージョンで、肩から背中にかけて激痛が走るというもの。
肉離れに近い現象であるため、長引くこともあるそうです。
ぎっくり背中であれば1〜2週間ほどで症状が落ち着いてくるということなので、しばらく様子を見てみることにしました。
1週間後に起きた痛みの変化
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1週間から10日ほど経つと激痛は少し良くなりました。
とはいえ、悶絶することがないだけで、痛みはかなり強い状態です。
ふとした動きで刺すような強い痛みが走るので、日常生活にも支障がでていました。
ギックリ背中であれば、筋肉の炎症が収まっていくので、このまま痛みが引いていくはずなのですが…
一つ気になる点があったのです。
私の場合、1週間から10日あたりで『痛みの強い部分が移動する』という現象が起きました。
嘘だと思われるかもしれませんが、日を追うごとに痛い場所が肩から腕の方に移動していくんです。
10日が経つ頃には、左肩より左腕のほうが痛くなっていました。
まるで、二の腕を雑巾絞りされているような感覚です。
流石にぎっくり背中は痛みは移動しないとのことでしたので、別の症状を疑うことにしました。
発症10日目で整形外科へ
![](https://tobi-taka.com/wp-content/uploads/2023/06/hospital.jpg)
ギックリ背中のような筋肉の炎症でなければ、病気なども考えなければいけません。
なので、精密検査が必要と判断して整形外科を受診することにしました。
病院ではお医者さんに次のように症状を伝えました。
- 椅子に座って振り向いたときに発症
- 最初は左肩甲骨をつったような感覚
- 4日目から急激に痛くなったが、痛みのピークは越えた
- 痛みの移動があり、最初は左肩甲骨だけが痛かったが、現在は左肩甲骨から左腕全体が痛い
問診を終えたら、レントゲンを撮影することになりました。
ですが、準備に少し時間がかかるとのことで、待ち時間に握力測定を行うことに。
痛みに耐えながら、左手に力を入れると32kgという結果になりました。
看護師さんによると普段と同レベルの握力であれば大きな問題はないとのことです。
逆にほとんど握力がない場合は、重症と判断するとのことでした。
レントゲンの準備が終わったとのことなので、レントゲン室に移動します。
私の場合、首や背中あたりを4枚撮像しました。
すぐに撮影したレントゲン画像をお医者さんと一緒に確認したのですが…
骨の異常は見当たりませんでした。
骨に異常がなければ、レントゲンに映らない筋肉の炎症や神経症が疑われるとのこと。
神経症に比べて筋肉の炎症のほうが起きやすいとのことなので、現時点では『頚椎捻挫(むちうち)の疑いあり』との診断結果になりました。
また、筋肉の炎症ならロキソニンが効く可能性が高いとのことなので、ロキソニンの内服薬と貼り薬を処方されました。
これらの薬で痛みが引かなければ、筋肉の炎症でない可能性が高いので精密検査が必要になると言われ診察が終了したのです。
処方された薬はロキソプロフェンが60mg入った飲み薬と100mg入った貼り薬です。
有効成分の量が結構多いので、痛みが和らぐことを期待していたのですが…
飲み薬を飲んでも貼り薬を貼っても、気休め程度にしか良くなりませんでした。
再び整形外科へ
ロキソニンがほとんど効かないので、1週間後にもう一度整形外科に行くことにしました。
その際に、飲み薬と貼り薬にあまり効果がなかったことを伝えると…
お医者さんから『痛み止めが効かないなら、捻挫ではなく神経症の可能性が高い』と説明されました。
神経症を簡単に説明すると、背骨の変形や椎間板ヘルニアなどで神経が圧迫されて痛みが生じるというものだそうです。
一時的な神経症であれば、神経痛に効く薬が効果的なので、タリージェという薬を処方されました。
これが効かなければ、ヘルニアなどの慢性的な症状の可能性が高いとのことです。
診察はこれで終了しましたが、最後に『本当の原因を知りたければ、他の大きな病院でMRIの予約を取りますがどうしますか?』とか聞かれました。
私は原因を追求したいタイプなので、MRIの予約を取って紹介状を書いてもら、別の病院で撮影することになったのです。
次の文献が示すように、MRIは核磁気共鳴という手法を用いた医療装置です。
医療用MRIによる人体の断層像は,水素原子のNMR(核磁気共鳴)信号を画像化したものである。
簡単に言うと、強力な電磁波を発生させることで体内の水素が信号を発するようになります。
そして、その信号をキャッチして画像を構成するのです。
なので、レントゲンとは違って水分が含まれる神経や椎間板の状態を確認することができます。
MRIの予約は2日後になりました。
それまで神経症の痛みに効果があるとされるタリージェという薬を飲み続けたのですが…
これもロキソニンと同じで気休め程度にしかならなかったのです。
MRIの撮像
2日後、MRIを撮りに近くの大きな病院に向かいました。
受付で紹介状を渡して、測定室に向かいます。
貼っていたシップを剥がしてから、検査着に着替えてMRIに横たわります。
MRIに横たわったら、肩や頭が動かないように固定器具を装着します。
その後、看護師さんからは、MRIでは目を閉じてジッとしていてくださいと指示を受けました。
目を開けていると、MRIの回転する部分の動きにつられて、体が動いてしまうことが多いからとのことです。
その後ヘッドフォンを装着して、撮影が始まりました。
意外かもしれませんが、MRIは工事現場レベルにうるさいです。
強力な電磁波を発生させるときに大きな音が出るのに加え…
測定室の外から測定中であることがわかるように、案内の音声が爆音仕様になっています。
爆音は大きな振動なので、肩に振動が伝わり地味に痛かったのが印象的でした。
MRIは30分くらいで終了しました。
その後は、自分の服に着替えて待合室で少し待ちます。
そうすると、撮像結果を保存したCD-Rを持ってきてくれるので、それを受け取って終了です。
MRIの画像チェック
![](https://tobi-taka.com/wp-content/uploads/2023/12/CD-R.jpg)
整形外科からの連絡を待っていてもよかったのですが、せっかく手元にデータがあるので、家に帰ってMRIのデータを見てみることにしました。
早速パソコンにデータをインポートすると次のようなMRI画像を確認することができました。
![管理人のMRI結果](https://tobi-taka.com/wp-content/uploads/2023/12/MRI_image.png)
MRI画像を見ると椎間板が飛び出して脊柱管が少し狭くなっている箇所が確認できました。
このような症状をしらべてみると、頸部脊柱管狭窄症と呼ばれる症状のようです。
そして、頸部脊柱管狭窄症が進行すると頚椎症性神経根症という強い痛みが発生する症状になることもわかりました。
これらの症状は椎間板の変形や骨の変形が原因であることが多く、体の片方だけに痛みが出ることが多いとのこと。
この知識を踏まえた上で、診断結果を待つことにしたのです。
診断結果を知るために整形外科へ
![](https://tobi-taka.com/wp-content/uploads/2023/12/medical_examination.jpg)
翌週、整形外科から「診察結果が出たので病院に来てください」と連絡を受けました。
なので、電話を受け取ったその日に整形外科に向かいました。
病院に到着して受付の方にCD-Rを渡します。
そして、診察室に呼ばれると、お医者さんがパソコンにCD-Rを読み込ませている最中でした。
読み込み時間が意外と長いので、MRI画像を事前に確認し、ヘルニア気味な部分があったことと、頸部脊柱管狭窄症による頚椎症性神経根症を疑っていることを伝えたのです。
MRI画像のインポートが終わると早速診断に移ります。
まず診断士の報告書を確認すると「頸部脊柱管狭窄症の疑いあり」と書かれていることを教えてもらいました。
そして、改めてMRI画像を見なが次のような診断を受けたのです。
- 頸部脊柱管狭窄症による頚椎症性神経根症の可能性が高い
- 椎間板がヘルニア気味であることがMRI画像からわかる
- 変形した椎間板が脊柱管の左側を圧迫している
- 左頸部の脊柱管が圧迫されると左肩や左腕に痛みやしびれなどが発生する
- 問診の症状と一致しているし、神経症だとロキソニンがそんなに効かなったのも説明がつく
- 治療には長い時間が掛かると思われる
痛みが長引くのはちょっと苦痛でしたが、痛みの原因がわかったことで、かなり気が楽になりました。
なので、気になったことを質問してみることにしました。
現在の症状やMRI画像からは手術が必要なレベルとは思えないので、不要と思われる。
ただし、握力の極端な低下や排尿に異常がある場合は、手術をしたほうが良い。
椎間板の消滅は個人差があるのでなんとも言えない。
現在の症状であれば痛み止めで保存療法を行っていく。
頚椎症性神経根症は治るのに1ヶ月から1年近くかかるが、時間とともに症状が改善してくことが多い。
ただし、握力が極端に低下したり、排尿に異常が出たりするときは悪化していることになるので、手術も検討する。
問題ないが痛みが引くまでは適度な運動に留めること。
痛みがなくなれば、頸部をそらすような運動(ワンダーコア等)以外であればOK。
注:あくまで私の症状の場合なので、全ての症例に当てはまるわけではありません。
一通り気になることを質問したら診察は終わりでした。
処方箋は大量のロキソニンの貼り薬です。
まだまだ痛みは強いですが、原因がわかったことで一安心しました。
生死に関わる病気でないことが不幸中の幸いだったと思います。
最悪、手術でなんとかなるとわかったのも大きいです。
ということで保存療法を継続することにしました。
この頃には痛みはピークの時よりだいぶ良くなっていましたが…
寝起きは相変わらず激痛
でも、うずくまるような強い痛みが出ることはありませんでした。
なので、痛みが酷いときにロキソテープを貼って治療を続けることにしたのです。