でも、今回ご紹介する方法を使えば、簡単に作ることができるんです。そのWhat型ロジックツリーの作り方とは…?
ロジックツリーを作るのって、時間がかかって大変!
いくら、ロジックツリーが問題の解決に役立つとしても、作るのが大変だとやる気が起きませんよね?
でも、本記事でご紹介する方法を取り入れれば、比較的簡単にロジックツリーを作ることができるんです。
短時間でロジックツリーを作れるようになれば、問題の原因を素早く見つけられるようになるので、オススメの方法になっていますよ。
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問題解決に最適なWhat型ロジックツリー
ご存知の通り、ロジックツリーとは次のようなツールです。
ロジックツリーは一般的に,物事を論理的に分析・検討する際に,その論理展開を樹形図で表現したものである.(中略)論理的なつながりをツリー状に図示することで、相互関係が明確に把握できるようになる.
このロジックツリーにもいくつか種類があるのですが、その中でもダントツで問題解決に役に立つのは『What型のロジックツリー』なんですね。
本記事ではロジックツリーの作り方をイメージしやすくするために、まずはWhat型ロジックツリーの特徴をご紹介していきますよ。
作り方だけでいいですよ~
こちらが『ごはん(無洗米)の美味しさを決める要因』を書き出したWhat型ロジックツリーになります。
こちらの図のように、What型ロジックツリーは各要素が『物や事』で構成されているという特徴があるんです。
ご飯を炊くときに使う物と言えば、『米・水・炊飯器』ですよね?(計量カップは省略してます)
なので、『ごはんの美味しさ』は、ごはんを炊くために必要な『米・水・炊飯器』で決まると考えることができます。
そのため、先ほどのロジックツリーでは、『ごはんの美味しさ』という主題の下に『米・水・炊飯器』という要因が紐づいているのです。
続いては『米』の部分をさらに深堀していきます。
ご飯を炊くときに「お米の何を変えられるのか」を考えていくのです。
この場合、変えられる要因は『お米の分量』と『お米の品質(銘柄)』になります。
そして、『お米の品質』を決める要因は何かをさらに考えていくと、米の品種や産地、育て方などがポイントになることも推測できるのです。
以上のような、一連の思考プロセスをまとめると次のようになります。
- ごはんの美味しさを決める要因の1つは『米』
- 具体的には『米の量』と『米の品質』
- 米の品質は『品種・産地・育て方』で決まる
この一連の思考プロセスをまとめたものが先ほどのロジックツリーであり、ロジックツリーを見るだけで主題に関係ある『物や事』を読み取ることができるのです。
What型ロジックツリーで問題解決ができる理由
しかも、What型ロジックツリーにはあるポイントがあります。
それは、真の原因が見つけやすい構造になっているということです。
先ほどご説明した通り、What型のロジックツリーは解決したい問題(主題)を物や事で分解しています。
そのため、ロジックツリーを作り上げれば、問題に関係する要因が明らかになっていくんです。
そして、その要因の中から『原因と思われる要因』を絞り込んでいけば、早い段階で真の原因を特定することができるんですよ。
What型ロジックツリーの作り方
What型ロジックツリーは次の3Stepで作ることができます。
- 簡単なモデル図を用意する
- 要因を抽出する
- レベル感を揃える
手順①簡単なモデル図を用意する
早速、ロジックツリーを作っていきたいところですが、ロジックツリーを作る前にやることがあります。
それは、解決したい問題(主題)を決めた後に、簡単なモデル図を準備することです。
そして、これが最大のポイントなんです!
ロジックツリーを作る際に一番時間がかかるのが、要因を抽出する工程です。
ですが、要因を読み取ることができる簡単なモデル図があれば、要因をササっと抽出することができるんです。
たとえば、「作った唐揚げが不味かった」という問題を解決するロジックツリーを作る場合を考えてみましょう。
この場合、主題は『唐揚げの美味しさ』になりますが、唐揚げが美味しくなかった原因は見当もついていない状態です。
なので、要因を抽出するのに莫大な時間がかかってしまうんですね。
しかし、次の図のような『唐揚げを作る工程』のモデル図を準備した場合はどうでしょうか?
このようなモデル図を準備しておけば、『揚げる工程』では『鍋・油・菜箸・鶏肉(衣・下味付き)』が登場していることが読み取れますし、
『衣をつける工程』では、『小麦粉・片栗粉・鶏肉(下味付き)』が登場していることも読み取れます。
つまり、状況を表す簡単なモデル図を用意するだけで、次のようなロジックツリーの大枠を作ることができるんです。
もちろん、揚げる工程で失敗したことが分かっているのであれば、モデル図を準備するのは『揚げる工程』だけで構いません。
必要最低限のモデル図さえあれば、ロジックツリーの大枠を作り上げることができるのです。
何をモデル図にすればいいか分からないときは、次の2つのアプローチで考えるのがオススメです。
- 人の手が加わらない問題
→ 状況・構成物 - 人の手が加わる問題
→ 工程
1つ目の『人の手が加わらない問題』というのは、偶然起きた問題のことですね。
イメージとしては、雨漏りやテレビの故障などの突然起きる問題が該当します。
このような問題には、人間などの不確定要素が存在しないので、状況や構成物に着目すればロジックツリーを作ることができるんです。
雨漏りの例であれば『瓦・瓦の接着剤・屋根の基礎部分』という要素を挙げれば、原因にあたりを付けることができるイメージですね。
このように、人の手が加わらない問題では、状況や構成要素をモデル図にするだけで、ロジックツリーを作ることができるのです。
一方、人の手が加わる問題の場合は、アプローチが異なります。
人の手が加わる問題では、人間が原因となる『人為的ミス』を考える必要があるからです。
そのため、唐揚げの例のように、着目するのは作り方などの工程になります。
工程に着目してモデル図を考えれば、人の手が加わるポイントと各工程に登場するものが分かるようになるので、ロジックツリーを作りやすくなるんです。
手順②要素を抽出する
モデル図を作ることができたら、モデル図から登場人物となる要素を抽出していきましょう。
先ほどのモデル図を見れば、唐揚げには少なくとも次の要因が登場することが読み取れます。
- 油
- 鍋
- 菜箸
- 衣
- 漬けダレ
- 包丁
- 鶏肉
このように、要因をざっくりと書き出したら、さらに分解できるものがないか考えていきましょう。
具体的には、衣は『小麦粉・片栗粉』、漬けダレは『醤油・砂糖・酒』といったイメージです。
このように、分解できるものは分解してしまってください。
ロジックツリーを作っていると「ずっと分解が終わらない!」という状況が発生することがあります。
その場合は、『自分が変えられるモノの次まで』という基準で分解するのがオススメです。
変えられるモノの次まで分解することで、「なぜその要因が怪しいと思ったか」という情報が読み取れるようになるので、判断基準として活用ができるのです。
例として、唐揚げの漬けダレの部分のロジックツリーを見てみましょう。
このロジックツリーからは、漬けダレの味を変えるためには、醤油を変えるのが効果的であることが分かります。
しかし、醤油を作ったことがない人ならば、醤油の何を変えればいいのかって分からないものなんです。
でもそんなとき、『変えられるモノの次』まで分解したロジックツリーを作っておけば大丈夫です。
ロジックツリーの『醤油』の下には『大豆』という要素がぶら下がっています。
この部分を見れば、「大豆が違う醤油を使ったら味が変わるのでは?」という仮説が立てることができるんです。
仮説を立てることができれば、「大豆の種類が違う醤油を使う」という根拠を持った判断を下すことができるので、闇雲に醤油を変えるより早く原因にたどり着くことができるんですよ。
手順③レベル感をそろえる
要因の分解が終わったら、要因のレベル感を合わせていきましょう。
レベル感の調整とは、同じ階層に仲間外れのものが入っていないことを確認することです。
例えば次の例をみてください。
ロジックツリーの漬けダレ部分を抜き出したのですが、なんか違和感がありませんか?
ロジックツリーは上の要因を分解して作る図なので、同じ階層に異質のものが混ざっているのはおかしいんです。
そのため、もし異質のものが混ざっているのであれば、上の要因をきちんと分解できていないということになります。
その場合は、その要因を適切なところに移動させてくださいね。
ロジックツリーの全体をチェックして、レベル感に問題が無ければ、ロジックツリーの作成は完了です。
まとめ
ロジックツリーは問題の原因に近づくために役に立つツールです。
仕事の大半は問題の解決と言われているように、ロジックツリーを使いこなせるかどうかで、仕事の評価は大きく変わります。
身につけておいて損はないツールなので、ぜひ使ってみてくださいね。
- 問題解決にはWhat型のロジックツリーが最適
- What型は主題を『物や事』で分解て作る
- 手順①簡単なモデル図を用意する
- 人が介在する問題の場合は工程のモデル図を作る
- 手順②要素を抽出する
- 手順③レベル感を揃える
- 分解は『変えられるものの次まで』行うのがポイント